「つくる」ことに難しさがあるこどものためにできること【紙を折る】編

紙を折ることで動物や花などのかたちができあがっていくおりがみは、こどもが大好きな遊びのひとつです。家庭をはじめ、保育園や幼稚園などでおりがみに触れる機会は多くあるものの、上手に折れずにイライラしてしまうことも…。そこで「折る」動作を楽しく習得するために家庭でできることを、おれんじ学園の先生に聞きました。

紙を折るのに必要な感覚を、遊びながら鍛えよう

「折る」動作は、紙を折るだけではなく、洋服をたたむ、洋服のボタンの掛け外し、ボトルのキャップの開け閉めなど生活の中でも大切な動作につながります。でも実はこどもにとって「紙を折る」という動作は、大人が思うよりもずっと複雑。単純に紙を何回も折る練習をさせても、上達につながりません。「折る」動作の習得に効果のある遊びを取り入れることで、楽しく動作の練習ができます。


 

1. 「折る」こと自体が苦手な子は、「折る」にはどんな動作が必要なのかがイメージできず、自分の身体の動かし方が分からないのかもしれません。身体の位置や動き、力の入れ具合を感じる感覚「固有受容覚」がうまく機能していない場合があります。「固有受容覚」には7つの機能があります。

①力を加減する働き
② 運動をコントロールする働き
③ 重力に抗して姿勢を保つ働き
④ バランス
⑤ 情緒
⑥ 身体の配置
⑦ 身体の機能

この「固有受容覚」を鍛えるには、身体を使った遊びが良いでしょう。親子で向き合って同じポーズをしあう、まねっこゲームは、遊びながら自分の手足の動きを把握したり、間接をどのくらい曲げたり伸ばしたりするかの感覚を磨くことができます。また、椅子の下をくぐる遊びを取り入れることで、自分の身体の大きさを把握し、どのように身体を動かしたら良いのかを体得できます。


 

2. 「折る」ときに紙を片手で押さえ、もう片方の手で折る、という左右の手が違う動きをすることに難しさを感じている子もいます。その場合、新聞紙を前後に裂いたり、ぎゅっと雑巾のように絞ったりする動きを遊びで取り入れてみましょう。紙を裂く、絞るといった感覚がダイレクトに手に伝わるので、紙の厚みに合わせて力を調整する必要性や、両手の動きの違いが理解しやすくなります。


 

3. 紙を折る前にタオルをたたむお手伝いもオススメです。紙よりも滑りにくく、ずれにくいうえ、繰り返し練習ができるので動作を覚えるのにぴったり。自分の身体より大きいバスタオルはたたみにくいので、フェイスタオルから挑戦してみましょう。


 

このほかにも、市販のパズルやタングラムで形・空間認識力を養うことや、図鑑を両手で持ち、その上におもちゃを置いて運べるか試すことで、力加減を身につけることもできます。遊びが生活動作の習得につながり、「できるかも」という自らチャレンジする心が育ちます。


※各コラムでは、情報や内容について細心の注意を払っていますが、すべての方にあてはまるものではありません。 ご自身の判断のもと、あくまでも参考としてご利用ください。

PROFILE

おれんじ学園

訪問看護・介護予防訪問看護、児童発達支援、放課後等デイサービス、居宅介護支援、就労移行支援、指定特定相談支援事業等を展開する他、療育自立支援用衣類等の企画・制作・販売としてハートブリッジプロジェクトを推進している株式会社東京リハビリテーションが運営する、児童発達支援・放課後等デイサービス。

長年培ってきたノウハウを療育に生かした「おれんじ学園」では、作業療法士、理学療法士、言語聴覚士、保育士が在籍し、一人ひとりに合った療育を行っている。おれんじ学園HP

 

メインアート作者/おがたりこ

1994年東京都世田谷区生まれ。幼少より絵を描きはじめ、2007年よりアート活動を開始。個展やグループ展などに出展した回数は30回以上。「ロバミュージアム2012」しりあがり寿 個人賞受賞、「ロバミュージアム2013」KIKI 個人賞受賞、「産経ニュース」「SANKEI EXPRESS」掲載、テレビ東京「HOPE for tomorrow」出演。多方面から熱い注目を集めているダウン症のアーティスト。発達のイッポでは、おがたりこさんの作品をメインアートでご紹介していきます。今回の作品タイトルは「葉っぱシリーズ2」「シャガ」「葉っぱ2」です。

イラストレーション/須山奈津希 取材・文/ズッコファミリア編集部

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