【インタビュー】石谷唯起子さんの一緒にものづくりをすることで実感するこどもの成長と、子育てから増えたやりたいこと

グラフィックデザイナーの石谷唯起子さんの活動は、デザインの領域を超えて多岐に渡ります。2014年にこどもとママが安心して使える無添加洗剤ブランド「Atelier Muguet(アトリエ・ミュゲ)」を立ち上げ、2017年には子育てと暮らしを彩るグッズが並ぶセレクトショップ「This___」を、東京世田谷の松陰神社の商店街にオープン。そして家に帰れば、二人の女の子のママでもあります。たくさんの顔を持つ石谷さんは、こどもたちとどんな風に過ごし、そしてその時間は石谷さんの活動にどんな刺激となっているのでしょうか?

こどもと過ごす時間にはたくさんの発見がある

——お子さんと一緒に何かをつくったりもしていますか?

 

夫が絵を描くのが上手なので、お絵かきについては彼にお任せしています。「〇〇描いて!」と言われることもあるので、そういう時は私も一生懸命描きますけど(笑)。おままごとやお店屋さんごっこも好きで、ハロウィンの時には商店街をこどもたちが回ってくるので、「This___」でハンコを押してお菓子をあげる係としてこどもに手伝ってもらったりもしました。今年小学生になる長女は、エプロンをつけてキッチンに立つ、ということに憧れがあるんだと思うんですが、料理にも興味が出てきて、卵を割ったりかき混ぜたり、手伝ってもらっています。


 

——今日も入浴剤のバスボムをお子さんと一緒につくってもらいました。

 

バスボムづくりは「Atelier Muguet」が主宰する親子ワークショップでもやるのですが、自分が使うものを自分でつくるということはこどもにとっても楽しいんです。お風呂嫌いの子も自分でつくったバスボムを使うとなったら喜んでお風呂に入りますから!

 

——そういう親子ワークショップを企画するときは、どんなことに気をつけていますか?

 

こどもと一緒にやって大人も楽しめるようにということですね。だから、こういうふうに一緒につくって一緒に使えるものは、すごくいいと思うんです。


 

——こどもと一緒にものをつくる時間は、石谷さんにとってどんな時間ですか?

 

何もできないと思っていたのに、いつのまにかなんでもできるようになっているんです、こどもって。だから、一緒にものづくりをすると、成長を実感しますね。そして、どの色を使うか、組み合わせるか、何を加えるかなど、こども自身で選択してデザインを考えるわけですから、「へぇ、こういうのを選ぶのか!」と驚かされることも多くて。こどもに何かを教えるというより、大人が発見させてもらうことの方が多いかもしれません。


 

——最近はどんな発見がありましたか?

 

実は、上の子はものをつくることに苦手意識があったみたいで、以前は全然やろうとしなかったんです。「うまくできないからイヤだ」「絵の具は汚れるからイヤだ」と言って。それが、ここ1年くらいで彼女の中の何かが解放されたみたいで、制作することがすっかり好きになったみたい。

 

——どんなものをつくっているんですか?

 

昨日はアニメのキャラクターを紙に描いて切り抜いて壁にたくさん貼っていました。あと、粘土で生き物をつくったりもしています。

 

——やろうとしなかった時には、大人が手伝ってやらせようとしたりはしなかったんですか?

 

私自身、何かしようと思ってできてないことを「やりなさい」と言われたりするのがイヤなので、私も娘に「やってごらん」とかはあまり言いませんでした。自然に保育園で学んできて、できるようになったんじゃないかな。最近は、いろいろなことができるようになってきているので、なんでも「自分でやる!」というので自由にさせています。まずは好きにやってみてごらん、という感じ。


こどもが成長の中で使うアイテムをつくりたい

——ご自身のこども時代もそういう感じでしたか?

 

母がとっても料理上手だったんですが、手取り足取り教えるタイプではなく、自分で見て覚えなさい!というタイプでした。それよりは、もう少しこどもに寄り添っていると思いますが(笑)。

 

——石谷さん自身は、こどもの頃にはどんなことが好きでした?

 

一人っ子だったので、近所のお姉さんのお家にいって、お姉さんたちのおままごとに混ぜてもらうのがとっても楽しかったのを覚えています。家にいて一人で遊ぶときは、シルバニアファミリーが好きでした。お小遣いを貯めて家具とかを一個ずつ集めて、部屋をつくりあげていくのが好きでしたね。そのうちに、だんたん自分の部屋の模様替えとかも好きになっていきましたね。学校の技術家庭の時間も好きでした。


 

——今の石谷さんの「暮らしにまつわるものをつくりたい」「日々をちょっと素敵にしてくれるものを届けたい」という考えの原点はそこにあるのかもしれませんね。

 

こどものころから、何か、「こうしてみたい」「こうしたほうがいいんじゃないか?」とか、やりたいことを実際にやってみないと気が済まないタチで(笑)。そうやってトライしていくうちに、仕事の世界も広がってきたのかなと思います。あと私、振り返ってみても「〇〇にこだわっていました!」とか「〇〇に夢中になりました!」というものがないんですよ。ただ昔から、自分が好きだなと思うものを観たり聞いたりしてきたんですね。今もそういう自分の直感的な価値観は変わらないですね。


 

——これから、こどもの小学校生活が始まりますが、石谷さんがやってみたいことってありますか?

 

小学校が始まるのはこどもにとっては楽しみでしかないようですが、親にとっては不安しかないわけです…。何が始まるのか、何が起きるのか、どうやって時間をやりくりしようか、とか。でも、また新しいこどもの成長に立ち会うわけで、それは楽しみですよね。こどもの成長に合わせてつくってみたいものも、もうすでに頭の中にたくさんあります。たとえばABC表とかアイウエオ表とか、こどもの学びのアイテム、こどもが自分で使う紙製品をつくりたいです。これからも、頭の中の構想をどんどん形にしていきたいですね。


 

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PROFILE
石谷唯起子 いしたにゆきこ
グラフィックデザイナー/アートディレクター

 

無添加洗剤ブランド「Atelier Muguet」ディレクター、こどものためのプロダクトブランド「TUMUGI」ディレクター、暮らしを彩るセレクトショップ「This___」ショップオーナーと、多岐にわたって活動の領域を広げている。大阪府出身、二児の母。

 

INFORMATION

This___
〒154-0017
世田谷区世田谷4-2-15 1F
OPEN 月,火,木,金,土曜日 11:00-18:30
臨時休業有
公式HP:https://www.this-is.jp/
Instagram:@this___tokyo

写真/小野田陽一 インタビュー・文/川瀬佐千子

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