特別展「昆虫」で多様性を学ぼう。国立科学博物館で開催中!

上野・国立科学博物館で特別展「昆虫」開催中です。絵本などで描かれる機会の多い昆虫は、こどもたちにとっても身近な生き物。色や形がバラエティに富んでいて魅力的なので、こどもの描く絵にもよく登場します。そんな昆虫を多角的に知ることができる本展覧会の見どころをご紹介します。

こどもの好奇心をかきたてる、巨大模型と約5万点の昆虫に関する展示


 

お散歩の途中でアリをじっと見つめていたり、テントウムシをつついてみたり、こどもにとって昆虫は、自分や家族とは異なる小さな命の存在として、不思議な魅力にあふれているようです。特に夏は、セミ、カブトムシ、クワガタなど、こどもたちの好きな昆虫のオンパレード! そんなシーズンにぴったりな展覧会、その名も特別展「昆虫」が国立科学博物館で開催されています。昆虫が好きな子はもちろん、苦手な子も思わず引き込まれてしまう不思議な世界をご紹介します。


 

本展覧会では、昆虫の魅力を「昆虫とは」「昆虫の多様性」「昆虫の生態」「昆虫の能力」「昆虫研究室」の5パートに分け、こどもはもちろん、大人にとっても新たな発見や学びがある内容になっています。

 

会場に入ってまず来場者を出迎えてくれるのは、ハチやクワガタ、蝶など、身近に見られる昆虫の2メートルにもおよぶ巨大模型。そばには、模型の実物サイズである昆虫標本も併せて展示されているので、こどもと大きさの違いについて話をしたり、ケースに入った標本では見ることができないお腹側を模型で詳しく見たりすることができます。


 

「昆虫研究室」のパートでは、標本回廊として世界中から集められた昆虫標本をはじめ、約5万点もの昆虫に関する展示がずらり。  ほかにも、実際に虫の世界を体感できるコーナーや、日本初公開となる絶滅してしまった昆虫が閉じ込められた琥珀など、たくさんの見どころがあります。そこで、本展覧会の4名の監修者のうち、野村周平先生、井手竜也先生、丸山宗利先生の3名に、親子で楽しむポイントや、各先生イチオシの展示を伺いました。

野村先生のおすすめは「ノムラホイホイ」

点数もさることながら、めずらしい昆虫がたくさん見られる標本回廊で話す野村先生

野村先生は国立科学博物館所属の研究者。アリヅカムシ研究の第一人者です。

「僕のこどもの頃は、クヌギの木を蹴ったらぼとぼとカブトムシが落ちてきて、簡単に捕まえることができました。現在ではそんな方法が有効な環境は珍しくなってしまいましたが、実は今でも、都内の公園でカブトムシを捕ることができます。私が身の回りのものを工夫して開発した"ノムラホイホイ"を使えばね」と野村先生。いったいどんな虫捕りを実践されているのでしょうか…。「親子でチェックして、挑戦してみて欲しい」と熱く語られていました。また、「標本回廊」についてもひと言。「様々な時代の研究者が集めた5万点もの標本が集まっています。ぜひじっくり見てください。採集者によって方針が違っているのを垣間見ることができます。どんな風に昆虫と向き合っていたかがにじみ出ていますよ」。標本によって採集者の個性がでるとは、本展覧会で味わえる醍醐味のひとつを野村先生が教えてくれました。

井手先生のおすすめは「昆虫トリビア」と「むしこぶ」

井手先生の横に写っているのはタマバチのむしこぶ。虫が卵を産んでできたものとは思えないほど可憐な姿はまるで枝に咲いた花のようです。

 

野村先生と同じく、国立科学博物館の研究者である井手先生が見てほしいポイントは、会場にところどころ貼ってある面白い雑学が書かれた"昆虫トリビア"なのだそう。いったいどんなことが書いてあるのか気になります。

また、“むしこぶ”もおすすめなんだそう。「私はタマバチという蜂の研究をしています。 むしこぶは蜂などの昆虫が、木の実や枝などに卵を産むと、その部分に化学的な反応が起きてできる、塊状のものです。とっても不思議なので、興味をもってくれると嬉しいです」。

丸山先生のおすすめは「多様な昆虫の世界を大人も楽しんで! 」

どうしてこんな形になったのか、研究者でさえ分からない種類が多いというツノゼミ(拡大模型。原寸は会場にてご確認を)

 

九州大学総合博物館准教授の丸山先生は、アリと共生する虫やツノゼミの研究をされています。本展覧会のテーマは昆虫の多様性。「きれいな昆虫、変わった形の昆虫。昆虫をいろいろな切り口から見られる」展覧会だと丸山先生は言います。だからこそ、「こどもだけではなく、昆虫を好きな人もそうではない人にも楽しんでもらいたい」のだとか。「展示のキャプションを大人がこどもに読むときには、大人もただ読むのではなく、興味をもってくれたら嬉しい」と語ります。また、奇抜な形をしたツノゼミの標本は注目なのだとか。「なんでこんな形に進化したのかわからない昆虫もたくさんいます。昆虫の多様性を示していて、とても面白いと思いますよ!」。丸山先生でさえ分からないこともあるとは、昆虫の世界は奥深いですね。

 

本展覧会では、普段は見ることができない昆虫はもちろん、身近な昆虫が実はこんな技を持っているのか! と改めて学ぶことができます。展覧会のあとには、新しい好奇心の種がこどもに芽生えるかもしれません。感じたことを生かして、自分なりの新種の昆虫を描いてみたり、粘土でつくってみたりして、自由研究に生かすこともできそうです。会期は10月8日(月・祝)まで。ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。

INFORMATION

特別展「昆虫」 

会期:~10月8日(月・祝) 

会場:国立科学博物館 

住所:〒110-8718 東京都台東区上野公園7-20 

開館時間:9:0017:00(最終入場は各閉館時刻の30分前まで)  

※金曜、土曜日は20:00まで 
※8月12日(日)~16日(木)、19(日)は18:00まで 

休館日:7 月17日(火)、9月3日(月)、9月10日(月)、9月18日(火)、9月25日(火) 

※開館時間や休館日については変更する可能性があります。 

入場料:未就学児/無料、小・中・高校生/前売り券500円・当日券600円一般・大学生/前売券1,400円・当日券1,600円、金曜・土曜限定ペア得ナイト券/2名1組 2,000円 ※17:00以降2名同時入場限定、男女問わず、当日会場販売のみ 

詳細:特別展「昆虫」公式サイト 

文・写真/ズッコファミリア編集部

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